オールドノリタケ

オールドノリタケとは、19世紀末から20世紀前半にかけて製造された、日本のノリタケ(旧・森村組)によって製造された陶磁器のことを指します。ノリタケは、1876年に日本人の森村市左衛門が日本に森村組を、そして1878(明治11)に弟の森村豊がニューヨークに森村ブラザースを設立し、米国への日本製品の輸出事業を開始したことに端を発します。

その頃、ヨーロッパではビクトリア王朝風の優雅で華麗なデザインが流行しており、米国市場でも同様のデザインが求められるようになってきていました。 1883年(明治16年)、市左衛門と豊兄弟はパリ万国博覧会を視察。マイセンなど欧州の美しい陶磁器を目にしたことをきっかけに、森村は陶磁器の販売に特化することを決定し、1891年には、愛知県名古屋市に製造工場設立し、海外輸出を目的とした陶磁器の製造を本格化させました。

最初は欧州のデザインを模倣することから始めましたが、この試みが後に「オールドノリタケ」と呼ばれる日本独自の西洋陶磁器が誕生するきっかけとなりました。これらは工業的にも優れていると同時に、1点1点ハンドメイドで絵付、装飾や金彩などが施され、日本の伝統的な感性と技術が融合した芸術品として高く評価されるようになりました。

そして、一世紀を経た現在、その芸術品は「オールドノリタケ」として、世界中のコレクターに愛されています。 オールドノリタケの製品には「Noritake」や「M」のバックマークが使われ、製造年や工場によって異なるバリエーションがあります。