マンガの中のオノマトペ(1)
日本語オノマトペの魅力
日本の漫画には、多くのオノマトペ表現が描かれています。外国語に翻訳された日本漫画では、吹き出しに書かれたセリフは、翻訳されていますが、作画の意図や雰囲気が変わらないよう、また翻訳しきれない表現などの理由で、オノマトペは翻訳されずそのまま残されているものが殆どです。
例えば日本人が図のようなカットを見ると、夏の日本の田舎の風景を思い浮かべます。
ザアアアア(Zaaaaa)
ザアアアア(Zaaaaa)からは、激しく降る雨を感じ、ゲコゲコ(Geko Geko)はカエルの鳴き声を表す言葉なので、豪雨の多い夏の田舎の風景というイメージがよく伝わってきます。この作画とオノマトペだけで、読者はその時の肌の感じや匂いなども含めて感じ取ることができるのです。
[出典:ビックコミック 小学館:2023年4月25日号 「湖底のひまわり 第14話 裏切り者 石川優吾 作」]
このように日本語オノマトペは臨場感を高めるために頻繁に使われます。
日本語オノマトペの数は4500以上!
「日本語オノマトペ辞典」, (小学館:小野正弘 編)には、4500語以上のオノマトペが収蔵されています。
日本語以外でこんなに多くのオノマトペを持っている言語はあまり例がありません。
この辞書の「刊行の言葉」のタイトルは、[千以上の言葉を並べても…]となっています。
一つのオノマトペが持つニュアンスを正確に表すには、長い説明が必要という意味だそうです。
「オノマトペを、なるべく実感を失わずに、しかも客観的な言葉で説明できたら… というのは、オノマトペに関わるすべての者の見果てぬ夢かもしれない。」とも編者が伝えるほど、オノマトペは日本人の生活に染みついた豊かな表現です。
実際の生活においても、オノマトペなしで会話するのは、味気ないものになってしまいます。
学術的な話は、ちょっと外に置いてオノマトペをうまく読むことで日本漫画の魅力をさらに楽しんでもらいたいと思います。
オノマトペはどんどん作られる
漫画のオノマトペを見てみると、作家が自分の感性でオノマトペを効果的に作り出しています。
4500語の辞書を持ってしても、時共に変化する言葉や作家の感性にあった言葉は、どんどん生まれていると言えるでしょう。漫画の読者もその新しい表現を感じることが必要です。
ズオッ(zuoooh)
ズオッ(zuoooh) 一般的には存在しない表現でも、この場合はこれしか無いと思える。満身創痍の悟空が全力ではなつ攻撃が力強く伝わります。
作家が生み出すオノマトペ表現は、初めて接する人にもその感覚や臨場感が伝わります。
バムッ (Bahmu)
[出典:ビックコミック 小学館:2023年4月25日号 「THE ALPINE CLIMBER 第30話 登攀者の行く道 よこみぞ邦彦 原作 山地たくろう 作画」]
バムッ (Bahmu) こちらも作中の造語だと思いますが、中古で買った古い日本車のドアが閉まる感じは、これしか無いのではと思わせます。
オノマトペの単語解説のページはWeb上にもいくつも見られますが、基本的によく使われるものは学ぶとしても、その文字からあなたが何を感じ取れるかが、漫画の醍醐味といえます。わからなかったら、声に出読んでみてください。
オノマトペはひらがなかカタカナで書かれることが殆どなので、92文字覚えれば読めますよ!
Hiragana and katakana notation
Japanmania.tokyoの解説 "What are the kanji, hiragana and katakana?"にあるように、日本語の表音文字はひらがなとカタカナの2種類があります。(詳しくは、ページをご参照ください。)
漫画の中のオノマトペの多くはカタカナで表現されていますが、中にはひらがなで書かれたものもあります。
文字の表現には、作者の明らかな意図があります。
ぬうら〜 (Nuraha)
[出典:ビックコミック 小学館:2023年4月25日号 「バブル・ザムライ 第1話 RYDEENのサムライ 細野不二彦 作」]
ぬうら〜 (Nuraha) もたもたと歩く様子。ゆっくり動く様が、「ひらがな」によくマッチしたユーモラス感じがよく伝わりますね。
バッシャアーッ (Bashhhaha)
[出典:ビックコミック 小学館:2023年4月25日号 「バブル・ザムライ 第1話 RYDEENのサムライ 細野不二彦 作」]
バッシャアーッ (Bashhhaha) 勢いよく走り去る車に泥水を跳ね掛けられた様子が、悲惨に伝わります。ここはカタカナ以外にないですよね。
ぶるんっ( Burun)
[出典:ビックコミック 小学館:2023年4月25日号 「バブル・ザムライ 第1話 RYDEENのサムライ 細野不二彦 作」]
ぶるんっ( Burun) 傘を振って雨水を飛ばす様子をユーモラスに伝えるためにひらがなが使われているのは効果的です。
ヒョイ! (hyoi!)
[出典:ビックコミック 小学館:2023年4月25日号 「バブル・ザムライ 第1話 RYDEENのサムライ 細野不二彦 作」]
ヒョイ! (hyoi!) 傘を素早くさす様子が、カタカナで書くことで、スピードが伝わります。
ひらがなは、見ての通り丸い感じの文字で、普通は文章を書くために使われます。オノマトペで使われる時は、優しくおっとりした感じやゆっくりした表現などに使われることが多いように感じます。
カタカナは、角張った文字でスピードや激しさを表すのに向いた文字です。日本語の特徴をよく見極めて使ってあるオノマトペの少し深い部分も知ると、より一層味わい深く作品を鑑賞できますね。
書体の工夫
ひらがなカタカナだけではなく、書体の工夫も作者の感性をよく表しており、強いパンチなど激しさの表現では、それなりの工夫がなされています。慣れない人には、文字の形がちょっと読みにくいかもしれませんよね。たくさん読むと分かるようになりますよきっと。
[出典:ビックコミック 小学館:2023年4月25日号 「Deep 3 Shot.53 正解だ 水野光博 原作 飛松良輔 作画」].
キュッ (Kyu)
バスケットシューズで方向転換した時のあの床の音。白抜きの書体と大きさが音の強さと速さを感じさせる。
ド ド (Doh Doh)
フリースペースへ走り込む瞬間の迫力ある床の音が伝わる書体と文字の大きさ。黒い文字で音の重さを表現していますね。
オノマトペは、人物や場の表現に臨場感を付加するための作者のアイデアと作画の力量が問われるところと思いませんか。
今までオノマトペを背景程度に考えていた人も、それを気にするようになると臨場感が増して漫画の楽しさが倍増します。
色々なオノマトペ解説は、次のBlogで…
Can’t stop “Waku Waku”!
Japanmania.tokyoのスローガンは「ワクワクが止まらない!」。
このワクワクも心がはずむ様子を表すオノマトペです。
ワクワク (Waku Waku)
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Let's do Waku Waku!