ブランドガイド:田中清貴のUrushi × Wood Art
木工というのは奥深いもので、まずいくつかの部材を組み立てて作る「指物」と木の塊を掘って作る「刳物」(くりもの)があります。 「指物」=足し算、「刳物」=引き算の要素があり、それぞれ違う技術や感覚・経験が必要となります。特に「刳物」というのは、木の表と裏のどちらを掘るかによって全く異なった木目が出ますので、同じ形の作品でも見え方、感じ方が変わります。
田中清貴の作品(Urushi x Wood Art)は、この「指物」と「刳物」の両方の技術を使い、仕上げに漆を塗っています。基本的に木工作品は拭き漆(オイルの場合もありますが)で仕上げ、木目と木の色をきれいに強調するのですが、これは一般的な作業でよく目にする木工作品の特徴でもあります。その基本作業に加えて、田中の作品は華やかな色の漆を使用し、強度を強くするための布貼りを行い、乾漆(乾燥させた漆の粉)を蒔き付け、その後に地粉(珪藻土・ケイソウを焼いたもの)を蒔き付けます。他にも貝を貼りつける螺鈿や蒔絵など、これらのものを施して作品を仕上げていきます。
この製作方法はバランスがとても大事で田中の一番こだわっている所でもあり、素材が「木」であるため木目の表現もとても重視しています。作家としてこだわるバランスとは、木目とデザイン、どちらも譲ることなく、どちらも素晴らしく美しいということです。 そして、その中に独創性も必要だと思っています。
全てを美しく表現するために、デザインは『シンプルで普遍的』であることを意識しており、シンプルにこだわるのは木目の美しさもさることながら、木の温もりや存在感、やさしさを損なわないためです。そして、普遍的が不可欠であるのは「いつの時代でも、どこの地域でも、誰にでも」使いやすいということが重要だからです。
作家としての『独創性』、これは「漆芸」を取り入れることで表現しています。田中は「漆芸」を先に学んでおり、それは木工作家としては珍しいスキルだからこそ、田中の武器であり特徴になっています。そしてそれらを基本にして、プラスαの遊び心を大切に制作しています。
Urushi x Wood Art には、椅子などの家具シリーズ、額シリーズ、小物シリーズ(※)があります。 ※現在、当サイトでは小物シリーズは扱っておりません。

田中清貴からご挨拶
みなさま、こんにちは。木漆芸家の田中清貴です。 この度は当サイトにて私の作品を見てくださりありがとうございます。
木工というのは奥深いもので、まずいくつかの部材を組み立てて作る「指物」と木の塊を掘って作る「刳物」(くりもの)があります。 「指物」=足し算、「刳物」=引き算の要素があり、それぞれ違う技術や感覚・経験が必要となります。特に「刳物」というのは、木の表と裏のどちらを掘るかによって全く異なった木目が出ますので、同じ形の作品でも見え方、感じ方が変わります。


田中清貴の個展歴及び受賞歴
2000年から現在に至るまで、毎年、全国主要百貨店の画廊で数多くの個展を開催。東京、大阪、京都、名古屋などの主要都市から地方都市に至るまで25年間、精力的に展覧会を開催している。主な開催場所としては、大丸(京都、心斎橋、神戸)、西武(高槻、福井、大津など)、そごう(徳島、広島、柏など)、伊勢丹、松坂屋、松屋(銀座)、高島屋(日本橋)、阪神(梅田)、阪急(梅田)などの主要百貨店の画廊および古民家

拭き漆の木製皿の制作工程
1つの作品の完成までには多くの工程があります。拭き漆の木製皿を例にその工程をご紹介します。木と会話しながら、1つ1つの工程を丁寧に行うことで美しく丈夫で使いやすい作品が完成します。その一例をご紹介します。
今後のイベント予定
個展
7月23日~8月4日
西武百貨店(福井店)
https://www.sogo-seibu.jp/fukui/
2025年5月28日~6月3日 名鉄百貨店・名古屋本店での個展風景